「火災共済」という商品をご存じでしょうか。日本にはいくつかの共済組織がありますが、それらの共済が提供している火災保険のようなサービスを火災共済といいます。
火災保険も火災共済も、火災を始めとした自然災害の被害を受けたときに、お金を受け取ることができるというのも同じなのですが、それでは両者の違いは何なのでしょうか。そして、なぜ火災共済よりも火災保険の方がおすすめなのか、分かりやすく解説していきます。
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火災共済を比較
加入者の多い4大共済はいずれも、火災保険と似ている「火災共済」を提供しています。口コミと共に簡単に各共済の火災共済のご紹介をします。
JA共済の建物更正共済
JA共済が扱っているのは「建物更正共済 むてき」という商品です。火災保険と同様に、建物や家財に補償を付けることができるほか、火災を始めとした自然災害で死傷した際にもお金を受け取ることができます。
去年、落雷の際に一気に家電が故障しました。DVDプレーヤー、エアコン、テレビと買い直せば大変な金額になります。JAさんで家財保険にはいっていたので電話をすると、「一時間後に伺います」とのこと。
どのくらい出るのか、ちゃんと出るのか、心配しながら待っていると、一時間後にいつもの担当の人が到着。被害状況を伝えると「故障家電の写真を撮らせてほしい」と言われ、写真撮影をし、その日は帰って行きました。
数日たち、担当者さんがまた来てくれて、全ての家電を買い換えるのに充分な金額を提示されました。もちろん快諾しました。現在は、新しく買い換えた家電に満足しながら快適な生活を送ってます。担当者さんの対応も親切で良かったと思います。
数年前ですが、空き巣被害に遭いました。幸い、高価なものは置いておらず、大きな被害はなかったのですが、唯一ノートパソコンを盗まれました。持ち運びもできるし、転売できると思ったのでしょう。
4階建てマンションの4階でまさか泥棒がくるとは思っておらず、ベランダの窓の鍵をおろそかにしたのが失敗でした。ショックはたいへんなものでしたが、自分のミスなので仕方ありません。
警察の現場検証も終わり、少し落ち着くとノートパソコンを取り返したくなりました。もちろん犯人は捕まっておらず、盗まれたパソコンそのものを取り返すことは無理なことです。
しかし、同等品を保険で補填してもらえるのではないかと考えました。JA共済の家財保険には盗難に遭った場合、同等品を保障してもらえる制度がありました。
窓口に問い合わせると、被害を証明する書類とパソコンの型番があれば同等品を保障するとのことでした。証明は被害届でできましたし、保証書や取扱説明書は残ってましたので型番もわかりました。
これらの書類を提出し、しばらくして同じノートパソコンを入手することができました。
周囲の人に教えてもらうまで、自分の加入していた保険で盗難品の補填までできるとは思っていませんでした。空き巣の被害はショックでしたが、これもひとつの勉強と思い、保険や防犯に詳しくなることができました。
全労済の住まいる共済
全労済では「住まいる共済」という名前で商品を販売しています。こちらは一般的な火災共済に自然災害共済を付けたタイプの商品で、幅広い災害についてカバーすることができます。
全労済は民間の保険会社に比べて保険料が安いのが最大の魅力です。さらに、掛け捨てではありますが、剰余金が出た場合、年に一度割戻金もあります。
火災共済単体だと風水害の保障が少し弱めですが、自然災害共済をプラスすることで地震もカバーする風水災の保障を拡充することができます。
定期的に共済の内容を見直しするときも、フリーダイヤルに電話して相談したのですが、受付してくれたオペレーターの方が丁寧に対応してくれ、すぐに資料や申込書を送付してくれたので、スムーズに内容の見直しと契約変更ができました。
窓口も全国各地にあるので、すぐに相談に行けます。安くて確実な保障、信頼性に厚い火災保険を求めている方には全労済の火災保険がおすすめです。
全労済は営業マンもいないし、支店も代理店もなく事務職員がいるだけですので、経費が余りかからず、保険料が安いのです。
全労済は全国各県に組織があり、加入者数も多いです。協同組合なので相互扶助の精神で運営しているそうで、うちは火災共済と家財共済と生命共済に加入しています。
掛け捨てですが、剰余金が出ると利用額に応じて配当があります。バックの組織として、全国組織の労働組合があるそうですが、うちのように労働組合とは関係ない人も入れます。もう歴史も長いそうで信用に問題はないようです。
テレビ広告などもあまり派手にはせず、チラシも入れません。それによって安く加入できるようです。ありがたいことです。
県民共済の新型火災共済
東京には都民共済が、北海道には道民共済が、大阪と京都には府民共済が、そして全ての県をカバーしている訳ではありませんが各県には県民共済が存在します。これらは全て全国生協連という組織が母体となって運営されている共済です。
各共済では、住宅と家財の損害に備えるための「新型火災共済」という商品を用意しています。
家を建てた時に、火災保険に入るように銀行から言われ、一番お得な県民共済にしました。他にも色々な保険を検討しましたが、同じ保障でもずいぶん高くてびっくりしました。
私が入っている県民共済の年間支払額は2万円強なのですが、共済はみんなで助け合う目的で運営されているために、余剰金が発生すると加入者に割戻金として返ってきます。
そのため、毎年8,000円ほどが振り込まれていて、差し引きすると12,000円ほどの保険料で済んでいる計算になります。
加入している保険は建物3000万、家財400万です。「それだけあれば建物が全焼してしまったとしても新築の一戸建てが建てられる」とアドバイスを頂いて決めました。
分からない時は電話で尋ねると、親切に教えてくれます。途中で保障額の変更をしたい時も割と簡単に出来ていいですよ。
結婚してから分譲マンション購入時に、両親の勧めで入った県民共済。1年の掛け金が1万円以下、しかも1年に1度払戻金があります。結婚当初は主人の収入も少なく、充実した火災保険に入る余裕もありませんでした。
でも「もし火事等で家財道具がなにも残らなくなった時、途方にくれてしまう。県民共済だったら、大丈夫かな。年間1万円以下ならかけられそう…。」そう思って加入を決めました。
完全なる掛け捨てではなく、割戻金があります。我が家は県民共済で、こども共済と医療共済もかけているので、年に一度の割戻金が楽しみでもあります。
お陰様で、まだ火災共済にお世話になったことはありませんが、こども共済では何度もお世話になっており、県民共済へ連絡した後の、共済請求書の郵送、及び、請求書提出後の保険金の振込みは、とても素早く処理して下さいます。
結婚して15年経ちますが、県民共済に加入していて良かったと思っています。
コープ共済の火災共済+自然災害共済
コープ共済は終身医療や終身生命などといった様々な保障を手がけている共済です。家の保障は「火災共済+自然災害共済」という商品が担当していて、各種自然災害などを含む幅広いリスクに対応できます。
父から相続した木造戸建てに住んでいます。父がコープ共済の火災共済をかけていたため、そちらも私が引き継ぐという形になりました。ただ、火災共済とは言っても自然災害の被害もカバーすることができるタイプのものでした。
契約者名が変わることから、一度だけコープ共済の担当者の方とお話をさせて頂きました。多分、書類だけのやりとりでも大丈夫だったと思うのですが、わざわざ対面でしっかりと説明してくれて、とても好感を持つことができました。
父が加入していた間も、私に契約が切り替わってからも、コープ共済から支払いを受けたことはありませんが、それはつまり火事や地震などの被害を受けていないということですので、幸せなことなのだと思います。
掛け金も高くないですし、これからもコープ共済にお世話になるつもりです。
いつもとても親切な対応で助かっています。コープ共済では、定期的にコープの店舗に相談窓口が開設され、相談日には何でも気軽に聞きに行く事ができるので、とても便利だと思います。買い物ついでに用事が済むというのは、時間の節約になるので、とてもありがたいです。
電話するのも面倒なくらい小さな疑問があっても、その日に相談に行けばすぐに解決するので、とてもありがたいです。必要書類の相談などもすぐに対応してくださるので、手続きがとてもスムーズに進み、助かります。
今まで色んな担当の方とお話しした事がありますが、どの方もとても丁寧な説明でわかりやすく、押し付けがましいセールスはまったくないので安心です。
また、どんなコースを選択したらいいのか迷って困ったという時には、ご自分の経験談を話してくださったりして、適切なコースの契約ができるようにしてもらえたのがとてもよかったと思います。
保険料は、それまで契約していたものよりとても安く、保障内容もよかったので、これも助かりました。継続しやすい内容の契約なので安心しています。
火災共済のメリットデメリット
火災共済のメリットとデメリットを比較表にしてまとめてみました。
火災共済と火災保険はとても似ていますが、共済の場合は営利を目的としていないため、掛け金が低めに設定されているという特徴があります。
その一方で、保障内容やプランの選択肢などは、大手損保の火災保険と比べるとあまり充実しているとは言い難いです。
メリット | デメリット |
---|---|
掛け金が安い | 保障額が低め |
返戻金が出るタイプもある | 契約者を対象にしたサービスが乏しい |
地域密着型で相談しやすい | 原則、組合員にならないと加入できない |
プランが限られているので分かりやすい | プランの選択肢が少ない |
地震に対する保障が含まれている | 政府運営の地震保険には加入できない |
火災保険と火災共済の違い
先のメリット・デメリット比較表でも一部触れていますが、火災保険との違いをより詳しく見ていきましょう。
利益を求める保険・非営利の共済
最も大きな違いは運営母体と運営母体の考え方です。まず保険の方はご存じの通り、損保会社が提供しています。損保会社と言っても、大きな括りでは一般の株式会社と変わりませんので、利益を求める営利団体と言うことができます。
一方で共済は非営利団体によって運営されています。例えば有名どころだとJA共済は農林水産省によって所管されていますし、全労済なら厚生労働省の所管となっています。
加入しているみんなでお金を出して、加入者の中で困っている人を助けるという考え方ですので、利益を求める必要はないのです。そのため、共済の方が掛金(保険で言うところの保険料)が安くなっています。
1対1契約の保険・相互扶助の共済
契約の形も異なります。保険は契約者と損保会社が1対1で契約を結びます。その契約内容に基づいて、損保会社が契約者に保険のサービスを提供しています。
しかし、共済は運営母体が中心となって加入者をまとめているという形式になります。もちろん契約自体は加入者と運営母体が1対1で行いますが、イメージ的には1対1というよりは加入者みんなで契約を共有しているような形になります。
細かいニーズに応えられる保険・シンプルな共済
保険の場合は1対1で契約を結ぶため、契約者が比較的自由に補償内容を設定することができます。
自動車保険のようにリスク細分型となっているものが多いため、自分に不要だと思う項目は外すこともできるのです。
逆に共済はみんながほぼ同一の共済という商品を共有しているため、個人個人が自由に補償内容を設定することはできません。
そのため、ある意味シンプルにまとまっているとも言うことができます。
補償の保険・保障の共済
当サイトでも意識的に表記を正しておりますが、被害を受けた際、保険は「補償」、共済は「保障」という表記が一般的です。
読み方が同一であるうえ、「お金を受け取る」という行為も同じであるため、とても紛らわしいのですが、漢字の表記は異なるのです。
ただ、ホームページや雑誌などでもよく間違って表記されることがありますので、さほど気にする必要はないでしょう。
火災共済より火災保険がおすすめの理由
ここまでお読み頂ければ、火災保険と火災共済の違いがお分かり頂けたのではないでしょうか。そして、最後に火災保険の方がおすすめと言える最大の理由を2つご紹介します。
保険の方が保険金が下りやすい
大工さん・工務店・リフォーム会社など、住宅や火災保険に関する業者に話を聞くと、「火災保険の方が火災共済よりも保険金(共済金)が下りやすい」という意見が大多数です。
正確な理由は分かりませんが、民間企業である保険会社は顧客満足度も非常に重要視するため、共済団体よりも加入者に寄り添ったサービスを提供することができるのかもしれません。
もちろん共済もしっかりと共済金を支払っていますが、自動車関係の業者や弁護士に聞いても、「自動車保険の方が自動車共済よりも支払いのスピードややり取りが優れている」と言いますので、やはり共済よりも保険の方がおすすめと言わざるを得ません。
火災共済は地震保険に加入できない
火災共済の場合は地震保険に加入できないため、もともと地震の被害が保障対象となっていたり、自然災害共済を火災共済に付帯することで地震もカバーするという形になります。(参考:地震共済とは?地震保険との違いを比べると、やっぱり地震保険がおすすめ)
しかしながら、火災共済の地震保障は地震保険ほどの手厚さではないため、有事の際に不安が残ると言わざるを得ません。
まずは一括見積もりから始めましょう!
火災保険への新規加入をご希望の方も、今の火災保険を見直したい方も、まずは一括見積もりをしてみましょう。
火災保険の一括見積もりをすることで、次のようなメリットを受けられます。
- 最も安い火災保険が見つかる
- 自分に最適な保険プランが分かる
- 地震保険を含め、自分に必要な補償と不要な補償が分かる
ハウスメーカーや不動産会社に言われるがまま、保険料の比較をせずに加入してしまうのは、はっきり言って損です。見直しで20万円以上もの節約になることもよくあります。
そこでおすすめなのが「住宅本舗の火災保険一括見積もり」です。
無料なのはもちろんのこと、必要事項の入力も少ないので、パソコンでもスマホでも簡単に利用できます。また、利用したからと言って、必ず契約しなければならないということもないので安心です。
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